旧・能登英輔の「のとのーと」

のとのーとの過去記事

感想。

今回は所属しているyhsの「忘れたいのに思い出せない」の感想。

所属していますけど、今回は受付を一度しか手伝わず、稽古も一切見ていないのでお客さんとして観させてもらいました。
身内だから甘かったり厳しかったりするとこもあると思いますが、いつも通り正直に書いていこうと思います。


まず、終わって一番の感想は「疲れた」。

まあ疲れたってのは後で書くとして、おばあちゃんを演じた福地美乃。
すごかった。
まあ、その、嫁なんですけど、嫁を褒めるのも何だかアレなんですけど、一人の客として単純にすごいなと思いました。
ただ、おばあちゃんがすごかった分、作品としてバランスはあまり良くなかったように思う。
そもそも今回出てくる役は元々「life/after」という作品に出てくる役が素になっているのですが、その設定が特にいらなかったり、その設定を活かすのであればもっと説明が必要だったんじゃないかと思う。
センリとガンマとトオルの関係性が特にわかりづらかった。
いや、表面的な関係性はわかるんだけど、何故そうなってしまったのかというちょっと深い部分というか。
それを出さないなら出さないでいいけど、その割にちょろっとセリフに入ってたりとか。
演技面でもトオルのセンリやガンマへの感情、ガンマのセンリへの愛憎なんかがちょいと薄かったように感じた。
それぞれの行動の理由付けがあまり感じられず、結局センリおばあちゃんの熱演に引っ張られて「ああすごかった」となっているような。

中盤以降、おばあちゃんが特殊なしゃべり方をするのですが、これには全くリアリティを感じなかった。
認知症が進んでいくという変化だけを表現したかったのであれば、それはわかりやすかった。
が、非常に疲れた。しんどかった。

それでも時々スカッとする場面があれば助かったんですけれども、初演ではエレキがやっていたゲンブという役のキャラクターが変更されていて、チャラチャラしたバカな男から陰湿な男へとなっていたため、これまたジメジメした展開に。
このキャラクター変更は失敗だったと思う。
トオルを妊娠させたとはとても思えないし、その後タマミとくっつくのも意味がわからない。

あ、何か批判ばかり書いてますけども、こんなこと書いておいてなんですが、面白かったですよ(笑)
レベルは高かったと思います。
身内な分なのかな?もっと出来る!とか惜しい!とか思っちゃったりしちゃうもんです。
細々したとこ書いてもキリがないんで、今日はこんな感じで。

演じる方でも観る方でも、芝居ってのはホント難しいと毎度毎度思い知らされます。