旧・能登英輔の「のとのーと」

のとのーとの過去記事

小心者。

大通駅の改札までの階段下で大きな荷物を両手に持ったおばあさんがおりまして。
お手伝いしようと思ったんですけど、怪しまれやしないかと考えてしまいなかなか声がかけられませんでした。
「お荷物お持ちしますか?」と聞いた場合、日本人のことだから「いいですいいです。」とたとえ辛くても言いそうだし、「お荷物お持ちしますよ?」と言った場合、何だか恩着せがましい。
これは悩ましい、としょうもないことで悩んだわけです。
まあ結局勇気を出して、「お荷物、も、ちま、す・・・ねー」とよくわからないことを口走ってしまいました。

悩んでたのがバカみたいにおばあさんが喜んでくれたのがすごく嬉しかった。
ひったくりとかと間違われたらどうしようって本気で悩んでたのに(笑)
「最近はこんなことしてくれる人なかなかいないんだよ」と言っていたおばあさんに何だか申し訳なく思ったもんです。
僕にしてみればそれほど重くない荷物を階段の上まで運ぶという、何でもない事にいっぱいお礼を言ってくれたおばあさん、何だかこちらこそありがとうございます。

こういう関係で僕にとって衝撃的だったことが今までに二つある。
一つは前にイギリスに家族旅行に行った際、地下鉄の階段をみんなで上っていた時、どこぞの英国紳士が姉のトランクをひょいっと持ち、上まで運び、特に何を言うわけでもなくニコッとして立ち去って行ったのです。

もう一つはこれまた地下鉄で、僕は同級生と一緒になんやかんやと話していたんですが、電車が来たなぁと思っていたらその友人が急にふらっと違う場所に行き、目の不自由な方の手をそっと握り、一緒に電車に乗り込んだのです。
正直、僕は目の不自由な方の存在にも気づいていなかったです。
友人の優しさにホントに感動しました。

そんなこともあり、人の助けになれることがあればできるだけ協力したいと思っているのですが、時代のせいかなかなかうまくいかないものです。
見ず知らずの男に「荷物持ちましょうか」って言われても気味が悪いと思う方もたくさんいるでしょう。
どうしたらうまいこと怪しまれずにお手伝いできるのか教えていただきたい。
雨が降ってる時に傘がなくて辛そうに歩いている女子高生とか見ると「駅まで送るよ」って車に乗せてあげたくなるけど、絶対不審者だもんね(笑)
「悪意はありません」の示し方がわからんす。