旧・能登英輔の「のとのーと」

のとのーとの過去記事

封印。

yhs「忘れたいのに思い出せない」が終わってもうすぐ一週間。

いつもそうですが、本番が終わった後の一週間というのは稽古もなくなるし、それまでのようにたくさん人と会うこともなくなり何だか不思議な気持ちになります。


さて、今回の僕の役だった「カヤモリ」という男。
実は彼、過去のyhsの公演に何度か出てきています。
その都度わけのわからない言動で周りを困らせてきたものです。
元々は「LIFE/AFTER」というyhsで過去に二度公演を行った作品に出ていたんです。
それが何故他の作品にも出たのかは不明ですが(笑)

彼は基本的に何を考えてるのかわからないので、稽古の時によく困りました。
エレキには「カヤモリは役作りいらなくていいよね」というようなことを言われましたが、確かにそういう部分はあるんですが、いかんせん自由すぎるために困るのです。
選択肢が多すぎるというか。
何をやってもある程度許されるキャラでありつつ、さらに「何かやりそう、やるはず」という目を向けられるので、こちらも何かしなければというプレッシャーを常に抱えてしまうのです。

不思議なもので、大体は何か役に合わないことをやると「何かしっくり来ないなー」となるんですが、カヤモリの場合演出サイドから見るとどうかわかりませんけど、僕からすると「ああ、こっちでも割といけそう」となってしまい、ますます選択肢が広がっていくんです。
そうしてるうちにアイディアも尽きてきて何がいいのかわからなくなるというおかしな状態に…(笑)
そんなわけであまり稽古したくなかったです。
アイディアが枯渇するのが怖くて。
「こうやってみよう!」と思いついた時には早く試したくて仕方ないんですけど…勝手なものです。

ある意味普通の役をやるより疲れました。
前にやった時もそういえばそうだったなーと、ふと思ったりしましたけど。
でも今回はひどく守りに入ったわけでもなかったし、結構チャレンジ出来た部分があったので個人的にはまあ良かったんじゃないかと。
ただ、表だったストーリーにはあまり絡めなかったんで、お客さんから「あいつ邪魔だなー」とならなかったかどうかだけが心配で心配で…

今だから打ち明けますけど、土曜日の夜だったか、本番中に心が折れそうになりましたからね(笑)
木曜日、金曜日、土曜日昼と割とコンスタントにお客さんに受け入れられていたカヤモリだったんですが、土曜の夜ばかりは本当にしんどかったです…
何だろう。僕何かやらかしたんでしょうかね。
土曜夜の僕が出る最初のシーンだけは記憶の奥底に封印することにしました(笑)